チケットキャンプ閉鎖から見える転売の姿

今回は、ちょっと違う方向から
「転売」についてお伝えしようと思います。

テーマとして取り上げるのは
最近、サービスの停止を発表した
「チケットキャンプ」です。

 

チケット転売サイト「チケットキャンプ」が閉鎖

チケット転売プラットフォームである
チケットキャンプが閉鎖することになりました。

ライブやコンサート好きなら
一度は利用したことがあるだろう
業界最大手、超人気のサイトに
一体何があったのでしょうか。

 

チケットキャンプが閉鎖に追い込まれた理由

2017年12月4日から7日までの間、
チケットキャンプは兵庫県警から強制捜査を受けました。
直接的な原因はそこにあります。

閉鎖に追い込まれた理由も
それに関連したことかと思いそうですが
実はそれとは関係ないことです。

その理由は次の通りです。

今回、強制調査の主な対象となったのは商標権の侵害だ。フンザはチケットキャンプで「ジャニーズ応援キャンペーン」などと銘打った施策を行い、「J ジャニーズ通信 Johnny’s News Service」や「宝塚歌劇倶楽部 Takarazuka Revue Club」といったメディアサイトも展開していた。すでに商標登録されているグループ名を使用したことが、商標法や不正競争防止法に違反しているとの疑いがかけられた。
東洋経済オンラインより

 

つまり、商標登録されている名前を
勝手に使ったことが問題になったようです。

ですが、真っ当に考えれば、
商標権を侵害していそうなメディアサイトは
世間に大量に存在していますし、
何もサイトそのものを閉鎖するほどのことはありません。

商標権を侵害しているサイトを閉鎖した上で、
チケットキャンプのサイト上で謝罪をするのが
妥当なレベルです。

あるいは、閉鎖するにしても、
「数ヶ月程度」で十分なはずです。

では、なぜサービスそのものを停止せざるを
得ないのでしょうか。

 

チケットキャンプが「悪者」になる理由

チケットキャンプが閉鎖に追い込まれた
隠れた理由は、やはり「高額転売」の問題に
あると言えます。

この問題は、何年も前から社会問題になっていました。
いわゆる「ダフ屋」の温床となるからです。

そもそもチケットの販売価格は需要と供給を
正確に反映しているものではありません。

以前から転売でも人気だった
「SIMフリーiPhone」などは
一定期間に製造できる数が限られているため
一時的に需要と供給のバランスが崩れて
高額転売が可能になります。

でも、そのうち需要に供給が追いついてきて
転売価格も定価との差がなくなってきます。

ですが、ライブやコンサートは

「供給量が完全に決まっている」

という特徴があります。

つまり、需要があるからといって、
供給量を増やせないのです。

コンサート会場は広くすることはできません。
日数を増やそうにも、曜日や会場の日程との兼ね合いがあります。

もともと需要と供給のバランスを
保つのが難しいサービスです。

そのため、いまだに高額転売が
成り立ってしまうのです。

その温床となりかねないのが
チケットキャンプです。
(事実、その温床となっていました)

チケットキャンプ自体が直接的に
何か悪いことをしているわけでは
ありません。

でも、大量の転売ヤーを攻撃の的にすることはできず

「チケットキャンプが悪い」

という社会の雰囲気ができあがっていきました。

もちろん、チケットキャンプ側も
何か対策を取ることは
十分に可能だったはずなので
その仕組みづくりを怠っていたことは
責められるべき点かもしれません。

このような流れで

「何とかチケットキャンプを懲らしめよう」

という社会の総意が形成されていきました。

でも、高額転売では捕まえることはできません。

そこで、法律違反をしている”あら捜し”が始まり
今回の商標権の侵害がちょうど良い材料として
出てきたのでしょう。

このような流れから考えて
見た目は商標権の侵害ではありますが
実際には「高額転売」の問題が狙い撃ちされたと
言っても間違いはないと思われます。

検察としても
今回の件がニュースになることで

「やっぱりチケキャンは
 悪いことをしていたんだね」

という社会の流れを作ることが可能です。

当然、問題は商標権の侵害から
高額転売にすり替わりますので
検察としても

「高額転売・撲滅キャンペーン」

を実行することが可能になるわけです。

チケット転売が可能なプラットフォームは
チケットキャンプ以外にもありますが
当然、彼らも今後の活動について
考えなければいけなくなります。

こうでもしない限り、検察も

「何であんな奴らを
 放っておくんだ。
 高い給料もらっておいて!」

と社会の圧力がかかりますので
何とかチケットキャンプのような
業界代表格を”祭り上げ”しないと
いけないのでしょう。

 

チケット転売業者が閉鎖せずに済む方法

チケット転売が問題になるのは、
チケットの価格が異常に高くなるためです。

ただ、供給が少なく、需要が多いものが
価格が高くなるのは、資本主義社会では
ごくごく普通のことです。

なので、それ自体が悪いというわけではありません。

でも、販売元としては、
一度手元を離れたチケットでさえも、
価格をコントロールしたいと思っているのです。

転売ヤーがチケットを持っているなら
価格を決めるのは転売ヤーであるのは
自然なことです。

そのため、価格をコントロールしたいのであれば
販売元がチケットを買い取るのベストです。

あるいは、その権利を他業者に与えるかするのが良いです。

販売元からコンサート情報を受け取って、
権利を与えられた業者がチケットごとの
取引ページを作ります。

業者は正規価格の情報を販売元から
受け取っていますので、
転売の適正価格も適切に決められます。

業者が決めた範囲内でしか
取引ができない状況を作れます。

 

第二のチケットキャンプになる存在とは

これに近いことをすぐにできるのは
「ぴあ」などのチケット販売の代理店です。

すでに正規のチケットを販売元から
正式に委託を受けて販売しています。

すでに販売元との関係を構築できている
彼らのような業者が、二次流通の場所を作るのが
一番早いと思います。

実際に、チケキャンは
かなりニーズの高いサービスですし
本当に何かしらの事情で行けなくなった人と
どうしてもチケットが欲しい人を繋げるのは
とても大切なことです。

モラルなき、ごく一部の転売ヤーのおかげで
そのような人たちが割を食うのは
本当に良くないです。

 

転売実践者が気をつけるべきこと

これで終わりだと、
チケットキャンプの議論になってしまうので
最後に、転売実践者の方にお伝えします。

それは、チケット以外の転売ビジネスにおいても
同様の状況に陥ることがあるので
気をつけましょうということ。

基本的には、社会の雰囲気を
しっかりと感じておくことが大切です。

「なんでこんな高い値段で
 買わなきゃいけないの?」

という雰囲気が出てくると
プラットフォームや
販売元の「締め付け」が
始まると思って間違いありません。

誰かが作った商品を
ただ右から左へ流すことが転売です。

「たったそれだけで儲けやがって」

と、どれだけしっかりとやっていても
他人から見たときに
悪者扱いされやすいビジネスでもあるので
常に意識しておくようにしましょう。

実はみんな見えていないだけで
横流しで設けるビジネスは
世の中に大量にあります。

「転売=悪者」になったら
大手商社なんて、どうなるんでしょう。

それにしても早々に、
納得の行く形で第二のチケットキャンプを
作って欲しいですね。